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和装花嫁の所作は扇子の持ち方がポイント

和装の所作について


近年、和装での挙式、披露宴の人気が出ており和装婚をするカップルが増えてきています。真っ白な白無垢や、きらびやかな色打掛は見るものを魅了し、とても美しいものです。しかし、普段着慣れていない和装での立ち居振る舞いは、知らないことが沢山ありどうしたらいいのか分からず不安がつきものです。人生一度きりの婚礼衣装ですから、しっかりと所作の知識を持ち、素敵な立ち振る舞いを身に付けたいものです。また、ゲストの方が和装で出席する場合も同じです。祝福する側も所作やマナーをきちんと理解し、正しい知識を身に付け、お祝いの場で素敵に着こなしましょう。
まず和装での立ち方についてですが、肩の力を抜いてあごを引き、腰を少し後ろに引き気味にすることで立ち姿が美しく見えます。花嫁のかつらが重く、慣れないかつらに頭がぐらぐらしたり、後ろに重心がかかりやすかったりするので、つい猫背になりがちですが思い切り背筋を伸ばし頭を少し前に下げた状態で、きれいな立ち方を保つことができます。
そして、歩く時は花嫁はゆっくりと小さめの歩幅で歩きます。両膝をくっつけ少し内股にし、すり足で歩くと上品な歩き姿に見えます。せっかくの着物をずるずる引きずってしまっては台無しなので、お端折りをしっかり持って歩くことが大切です。顔をしっかり上げて目線を真っすぐ向けるよりは、目先を少し手前に向けて伏し目がちにすることでおしとやかさが出ます。
また、座る時にも注意が必要です。袖が長いので床につかないよう、袖の扱いに注意する必要があります。そして、椅子にしっかり腰かけてしまうと帯が背もたれにあたって崩れてしまいます。椅子に座る時は浅すぎても前かがみになってしまうので、浅すぎず深すぎず背もたれから拳二つ分を目安に腰かけ、背筋をしっかり伸ばした状態で座るときれいに見えます。あいさつの仕方については、腰から折りゆっくりやわらかい動作を意識し、笑顔ですることが大切です。深々と頭を下げると衣装崩れの原因になりますし、反対に軽く首だけ動かす会釈程度は相手に失礼となってしまいます。一つ一つの動作にしっかり意識を持ち、美しい姿勢を保ち凛としたたたずまいでの所作を心がけましょう。

扇子について


扇子は和装の際にとても重要な小物です。扇子と言えば京都の京扇子が有名でお茶や芸の必需品として使われていますが、それ以外にももちろん扇いで涼をとるためや、着物の装飾品として様々な使い方があります。
また、扇子の種類にも様々なものがあり、特に和装の冠婚葬祭の場合に使う祝儀扇は男女で用いるものが違いますし、訪問着や留袖、色打掛など和装の種類によっても異なってきます。婚礼での場合は、和装に用いる扇子のことを末広または祝儀扇とも呼びます。末広がりという先に向かって広がっている型から、新郎新婦に幸福をもたらすようにとの意味でおめでたい気持ちとして用いられています。親族として黒留袖を着る場合にも末広を帯に挿します。正しい末広の挿し方として、開く側を上にし自分から見て左側の帯と帯揚げの間に挿し込みます。帯から出し過ぎないように注意しましょう。
ここでも男女で末広の種類が異なり、女性の場合は、一般的に漆塗りで両面に金銀紙が貼られています。また男性の場合は竹骨の白い扇子です。末広はあくまで装飾品として用いるものですから、実用性があるわけではありません。儀式のマナーとして扇ぐことはしませんので、特にバタバタ扇ぐことはしないように注意が必要です。

扇子の正しい持ち方


和装の場合、ゆったりした動作で手元が目立つので扇子の持ち方は重要なポイントになります。基本的に末広は挿したままが多いですが、立礼の際には手に持つので正しい持ち方を知っておく必要があります。正しい持ち方として、まず帯の前で右手で持ち手の根元部分を持ちます。人差し指を塗り部分に沿うように伸ばし、残りの指で胴部分を包み込みます。このとき、ぎゅっと握りしめないようにそっと軽く覆うようにして持つことが大切なポイントです。そして左手は、親指を端の木部分に乗せ残りの指で扇子の下側から挟んで支えます。右手より左手のほうを少し下げ、おへそのあたりで持つと上品で美しい持ち方になります。また、指先をスッと伸ばし、肘をはらないように脇を自然にしめて持つようにすることでより品のある姿を保つことができます。
閉じていてる場合も開いている場合も扇子の紙部分、扇面には触らないようにするのがマナーですので気を付ける必要があります。普段着慣れない和装に不安を感じる人も多いです。しかし結婚式での和装花嫁の所作が美しいほど、会場の雰囲気もぐっと上品になります。一生に一度の婚礼衣装を着る大事な機会ですから、着こなしも動作も素敵に見せたいものです。歩き方や座り方など正しい立ち振る舞いや扇子の持ち方のポイントをきちんとおさえることで素敵な和装姿を披露することができます。

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