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自分だけのオリジナル扇子を持つということ

京扇子と江戸扇子


夏になると暑さ対策として、扇子をバッグの中に入れて持ち歩く人も少なくありません。少し前までは、年配の人が持ち歩くイメージでしたが、最近は若い女性が持っているのも見かけるようになりました。節電、エコ、ロハスなどの言葉を毎日のように目や耳にする現代社会において、環境にやさしい扇子は注目のアイテムです。
扇子には、普段私たちが持ち歩くタイプのもの以外に、日本舞踊に使われる舞扇や和室の装飾品として見かける飾り扇などの種類があります。涼をとるための一般的な扇子には、「京扇子」と「江戸扇子」と呼ばれるものがあります。見た目には大きな違いはありませんが、江戸扇子はシックで粋な感じがするのに対し、京扇子は派手で雅なイメージです。また、江戸扇子の方が折り幅が広く、骨の数も少なめです。製造工程にも違いがあります。分業制の京扇子に対し、江戸扇子は一人の職人が全工程を受け持ちます。近年、江戸扇子の職人が減少しているのは、この製造工程の難しさが理由の一つに挙げられています。
京扇子や江戸扇子のように職人が一から手作りするものとは違い、大量生産による安価な扇子も多く出回るようになりました。しかし、丁寧に作られたものはそれだけの価値があります。上質なものは壊れにくく長持ちしますし、他人に与える印象も違います。そのため、高級な扇子を記念日の贈り物として利用したり、素材や柄を自分で選ぶ、オーダーメイドのオリジナル扇子を作ったりする人もいます。

扇子をオーダーする


オリジナル扇子は、インターネットなどで簡単に注文することができます。例えば企業がイベントなどで、自社の名前入りの扇子をノベルティグッズとして配ったりすることがありますが、片面紙貼りにしたり、一度に多くの本数をオーダーしたりすることによって、コストを抑えて作ることができます。また、扇子を一からオーダーするのではなく、自分の名前を親骨に刻印することで簡単にオリジナル扇子を作ることができます。レーザーで刻まれた文字は扇骨の素材によって違った風合いを見せ、おしゃれな扇子に花を添えます。
名入れをするだけで、正真正銘自分だけのオリジナル扇子になります。さらに、名前入り扇子は贈り物としても重宝されます。結婚記念日や父の日、母の日などにペアの名前入り扇子を贈ると、とても印象的なプレゼントになります。ペアの扇子は、ネットなどで様々な種類や値段のものが売られています。男性用は青やグレーなどを基調とした落ち着いた色のもの、女性用は、赤やピンク色で華やかな風合いのものをペアとして組み合わせているものをよく見かけます。柄は同じかペアとわかるように共通の模様を入れるなどの工夫がされています。サイズは女性用は6.5寸、男性用は7.5寸のものが一般的ですが、ノベルティグッズや記念品としては、男女兼用として7寸のものがよく使われています。

世界に一つだけの扇子


既製品に自分の名前を入れるだけでは、オリジナリティが足りないという人は、オーダーメイドのオリジナル扇子を注文することもできます。例えば、扇面に自分の描いた絵や文字、撮影した写真などを印刷することができます。和紙を貼り合わせて作るタイプの場合は、裏にも好きな柄や文字を印刷することも可能です。扇骨は、職人が竹を薄く削って作ります。白竹、唐木染などから、扇面のデザインに合わせて選ぶと、扇子の見栄えも自分好みになります。
紙だけでなく、布でオリジナル扇子をつくることも可能です。紙同様、写真や絵を扇面に印刷して作ります。または、自分の好きな布の持ち込みに対応してくれるところもあります。ハンカチやスカーフなど、少し透け感のある布を使うと涼しげになり、暑い夏にはピッタリです。また、余った布で扇子を入れる袋を作ることもできます。扇面と同じ布を使って袋を作ると、持ち運びの時に扇子を傷めないだけでなく、見た目にもおしゃれです。
扇子は茶席などで使う場合もあり季節を問わないアイテムですが、オリジナル扇子を夏に使いたい時は注文する時期に注意が必要です。梅雨頃に、問い合わせが急増するので、確実に必要な時期に手に入れるためには、2ヶ月程度の余裕をもってオーダーするのがおすすめです。
自分だけのオリジナル扇子は、常に携帯しておくと暑い時に便利なだけでなく、余裕のある大人の雰囲気が演出できます。嬉しくて、必要以上に広げて扇いでしまいそうですが、マナーを守ることも重要です。扇子は折りたたまれた状態では、とてもコンパクトですが、広げた時にはそれなりの大きさがあるため、満員の通勤電車や人通りの多い場所での使用は気を付ける必要があります。身体に当たらないように顔の下の方で小さく扇子を動かすのが、人が多い場所での迷惑にならない扇ぎ方です。暑いからといって、バタバタと大きく腕を振って扇ぐと、風が自分の周囲にいる人にも届くかもしれません。風が顔に当たるだけで、不快に感じる人もいます。それ以上に不快感を与えかねないのは、風と一緒に汗の臭いも漂わせてしまった時です。こうなったら、明らかにマナー違反です。せっかくのお気に入りの扇子を手に入れたのですから、他人の迷惑にならないような使い方をしたいものです。

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