- 扇子の舞扇堂ホーム
- 扇子の製造工程(地紙加工について)
京扇子は紙の扇子の場合、出来上がるまでに大別して20工程以上、更に細かく分けると80を越える工程を経ています。
そのほとんどが今も熟練の職人による手作業で一本一本丁寧に作られておりその工程ごとに分業になっています。
ご紹介する工程(紙扇子の場合)は大雑把に記したもので実際はその何倍もの工程が中に含まれています。
【2】地紙加工について
地紙とは、夏扇子では3枚、舞扇子では5枚ないし7枚の貼り合わされた和紙のことです。
地紙加工の基礎
【1:紙合わせ】
扇の地紙と呼ばれる紙を作る為に「芯紙」という薄い和紙を真中にして、「皮紙」と呼ぶ和紙を「芯紙」の両側に貼り合わせます。 真中に 薄い紙(芯紙)を入れるのは、扇骨を差し込む時に穴をあけやすくするためです。
【2:乾燥、裁断】
「紙合わせ」された紙を乾燥させます。
紙を何枚かにまとめ、扇面の形に裁断をして「地紙(ぢがみ)」は完成となります。
加飾(絵付け)
【1:色引き・下地印刷】
色引きは、地紙に手で刷毛により、色をつけます。一方、下地印刷とはオフセット印刷により地紙に色をつけます。下地印刷の際、絵も一緒に 印刷することもあります。
【2:箔押し】
糊を引き、扇面に一枚ずつ金箔を貼っていきます。金箔は極めて薄い為、取り扱う際は細心の注意を払います。
【3:上絵(うわえ)】
絵師による、一枚一枚の手描き絵や型刷り、木版画などの手法により扇面に絵がのせられていきます。)
折り加工
折りとは地紙を扇子の形のように折れぐせをつける作業です。
【1:折り】
湿らせた地紙を扇子の骨の数に応じた2枚の型紙(美農紙で作られた分厚い折れぐせのついた紙)の間にはさみ手早く折りたたみ蛇腹 の形にします。
【2:中差し】
乾かした地紙に中骨を差し込む為の道(空洞)を竹べらであけます。
【3:万切り(まんぎり)】
しっかりと折りぐせのついた地紙を折りたたんだまま、裁断用の枠に地紙をまとめて入れて、大きな包丁を使い扇子の大きさに切りそろえていきます。
これで地紙加工は終了となります。この後は扇骨と一緒に「ツケ」の職人へと届けられ完全な扇子へと変わっていきます。